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手塚治虫のマンガを読みました  (2010.9.7)

042.gif9月というのに相変わらず暑いですね。
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 手塚治虫の「奇子(あやこ)」というマンガを借りて読みました。
 日本がアメリカの占領下にあった時期に起こった、国鉄総裁が殺され迷宮入りとなった
「下山事件」(ここでは霜川事件)と東北の大地主一族の家庭内の泥沼(今でいえば、
DVと性的虐待と)を絡ませて、問題提起している。

 大地主一家の構成は以下のとおり(年齢は話の開始時点)
地主:作右衛門 52歳 妻51 地主は病気で死亡、妻のみが最後まで生き残る
長男:市朗 27 妻23 跡取りの座欲しさに妻を父に差し出す、妻を殺す
次男:仁朗(CIAスパイ)霜川事件に加担する、父と他の女との子を殺す
三男:伺朗 12 家族内の関係を早くから知る、成人してから奇子と関係を持つ
長女:志子(なおこ)18 ○○党党員、恋人は殺される
次女:奇子(あやこ)4 地主と長男の妻との間の子、4歳から20歳まで閉ざされた
            蔵の中で暮らす

 日本の黒い霧と言われる「霜川事件」の犯行の状況や、背景の国鉄の首切り反対闘争・
アメリカのGHQの動きと、大地主一族の家族間での犯しあい、殺し合いを描いている。
 社会的な歴史の闇の事件と家族内の近親姦、そして、10代をお蔵の地下に閉じ込め
られて兄と関係を持ち、女としていびつに成熟した奇子。
 どちらも、歴史の中で現実に起きた、起きていたであろう事だ。
 下山事件は社会的に迷宮入りをさせられた出来事、家庭内近親姦は個々の家庭の中で
秘密裏に迷宮入りをさせられた出来事が多かっただろうと思う。
いや、現在でも(現在のほうが?)実の親子間、兄弟間などで起きていて闇に葬られて
いる。
父が実の娘を強姦し妊娠し女の子が生まれ、その子(孫を)をまた強姦したという事や
母と息子が関係し妊娠し、母は子を産むという事が現実に起きているという。
 今、暴力やネグレクトの虐待は取りざたされているが、現実に起きている性的虐待は
あっても無いがごとく扱われている。
 下山事件のようなあからさまな事件は起きないが、自殺・うつ病・貧困・疎縁家族
(行方不明高齢者)をはじめ、人間としての尊厳を失うようなことが、真綿で首を
締め付けるように迫ってくる社会の現状・・・・・
 「奇子」を読み終わって、いろいろなことを考えさせられ、う~んと唸ってしまった。
今もまだ唸っている。
by momo22412 | 2010-09-07 18:23

ももは私、うめはネコです。娘と2人暮らし+1匹。2010年3月に仕事を辞め、時間持ちになりましたので趣味ブログを。見よう見真似でチクチクすきです。ネームは「み~も」*handmade by miimoです。


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